あたしは恋をしています。

それは大変なことで

だって初恋で

それでも一生懸命で

あなたのことが大好きだから

頑張ります。





学校に行くときに乗るバスにいつも彼はいます。
髪が綺麗で。
サラサラと風になびいている。
退屈なのか、本を読んでいて…


そして、今日も。


鞄には不動峰って書いてあった。

テニスラケットを持っているからテニス部なんだろう。


あたしよりも早く乗ってて、あたしよりも遅く降りるみたい。
不動峰ってどんなところなんだろう??

今日の放課後行ってみることにした。





:.*・:.*:.・*.・

ここは青学。。。





〜一緒に帰ろ☆」
「ごめん、あゆ!!今日寄りたいとこあるからダメなんだ!」

言ってきたのは大親友のあゆ。


あゆは彼氏の不二くんと帰るんだけど、あたしも、っていつも誘ってくれるんだ


「てかなんであんたには彼氏いないのよ!!こんなに可愛いのにぃー!!」
「ん゛…くるしいよあゆ〜」
「あたしがいただいちゃうわ〜♪」
「あゆ〜…急に抱きつかないでよ〜…。」

「あ〜ごめんごめん。」

「それにあたしだってすきで彼氏いないんじゃないんだもんね〜。」
「じゃあ荒井は?」
「あたしにはすきな人いるもん!!」
「あ〜、荒井可哀相〜…」そう、幼なじみの荒井に先週告られたの。






…。俺…昔っからお前のこと好きだったんだ…。』



「荒井…。」


正直驚いた。
でもあたしは荒井を男としては見られない。
見ようとしても…見れなかった。


荒井の一生懸命なとこはすごくすき。


だけどあたしはバスの彼がすき。



荒井を恋愛対象ですきとは言えない。



だから今度断ろうと思う。



場面は変わって不動峰前。


部活も休んじゃった。ぁ、荒井と一緒のテニス部ね☆

どうやって行ったかは道行く人々に聞いた。


「ここが不動峰か〜。」



「お前、うちの学校じゃねぇよなぁ??」

後ろから声がした。
振り返ると左目を長い前髪で覆っている変な人が立っていた。(失礼

「あら、お客さん??」
隣には前髪をピンで止めている可愛い女の子がいた。たぶん、二人とも歳は一緒
ぐらいだろう。
デートでもしているのかな?
これは邪魔したと思い、走って逃げた。

「お、おい!!どこ行くんだ!?」
追い掛けられてるけど、足には自信あるからだいじょうぶ☆

「リズムに乗るぜ!!」
うしろから急に変な声がした。
と思ったら、追い付かれて捕まえられた。

「ちょっ!!彼女ほったらかして付いてくるんじゃないわよ!!」
「ぁぁあ杏ちゃんは彼女じゃねぇよ!!」
どうやら彼女の名前は『杏ちゃん』らしい。
ってどっかのラブシチュエーションみたいになってるし!!
「あたしは探してる人がいるの!!あなたには関係ないわ!!」

「俺でよかったらその、人探しに付き合ってやるぜ♪」
「ほんとに!?じゃぁお願い!!」


「神尾(アキラ)くん!!もう、速いって!」


神尾(アキラ)っていうんだ☆可愛いかもvV
ってなに考えてんだよ、あたし!!




「え?じゃぁ、ここ(不動峰)にその彼がいるの??」
「たぶんそうだと思うんけど。鞄に書いてたもん。」
「ほかになにかねぇのか?」
「あ、テニスラケット持ってた。」
「そうなの!?じゃぁ話しは早いわね☆」
「テニスコートに行ってみるか♪」





+パコーン+

+ パァーン+


「いる??」

人数は少なく、ホントにいるのか??と思いながら目を凝らして探していた。


「あ、いた。」



「誰!?」
「誰だ!?」
二人はハモらせて聞いてきた。
「あの人…。」
と指をさして言った。

「深司…?」
「深司くんって言うんだ…。」
「おーい!!深司ー!!」神尾(アキラ)くんの声に気付いて深司くんがこっち
を向いた。


神尾(アキラ)くんと杏ちゃんが深司を『こっちへ来い』と手招く。
深司くんがその行動に面倒臭そうにこっちへ向かってきた。



「深司、お客さんだぜ♪」
「しっかり話してあげてね☆」
と二人はニヤニヤしてどこかに行った。
二人になったとたん、急に顔が赤くなるのが分かった。



「あ…あの!毎日バ「ねぇ、きみバスに乗ってくる子だよね。なんだ。客だって
言うからまたファンだったら神尾に喧嘩売りに行こうかと思ったのに。困るんだ
よね。神尾も杏ちゃんも、面倒なのばっか連れてくるかをだから。てか喧嘩なん
て俺する気ないし…。やんなっちゃうよなぁ〜…。」


何この人…。
てか何気に一人コントかよ!


違う違う。

「ええと…。髪キレイですよね。」
「そうかな?きみのほうがキレイなんじゃないの?」「ひゃっ!」
と髪を触られた。


「何?恐かった?」
「びっくりしただけ…。」
「ねぇ、ここじゃなんだから移動しない?」


「う、うん。」




+・+・+・+・


「ヒソヒソ(お!伊武のやつ、いつもなら面倒で動かねぇのにリードしてるぜ!
!)」
「ヒソヒソ(凄い成果ですねぇ、神尾(アキラ)隊長!!)」
「ヒソヒソ(あとは二人でうまくやればいいけどな。)」
「ヒソヒソ(そうだね〜)」

+・+・+・+・




「ここでいい?うち(不動峰)、そんなに広くないから。」
「うん。大丈夫☆」


ていうか、移動したはいいんだけど…。
何話したらいいのよ〜!


「名前聞いてなかったんだけど…。」
「あ、ごめん。です。」
「そうなんだ。可愛いね。」
「そんなことないです!!」
「俺伊武深司だけど…。」
「深司くんだね。」

ていうか、深司くんってよくみると肌もキレイなんだ…。
「何…?」
「あ…ごめん。」
「神尾はいいよなぁ…。」
「??」
「恋してる…。」
「そうなんだ…。」
深司くんがそんなこと言うなんて。
「神尾は杏ちゃんが好きなんだよね…みんな知ってるけど…。」
「杏ちゃんて可愛いもんね〜☆」
「橘さんの妹。」
「橘さん?」
「部長。」
「杏ちゃんのお兄さんってやっぱかっこいいんでしょ〜?」
「知らない…。」
「え?」
「そんなこと言ったらが…。」
「何?」
「気にしないでよ…。」
「気になるじゃ〜ん!!」
「だから…。」
「ん?」
と深司くんの顔を覗きこんだ瞬間、視界が真っ暗になった。
何が起こったのか分かるまでにそう時間はかからなかった。



「深司く…」
「好き…。」
深司くんの小さな声は腕の中だとよく聞こえる。
深司くんから離れたあと後頭部を押さえられ口づけられた。
「ん…」
…。」
無理矢理舌が侵入してきた。
抵抗しても腕に入る力がさらに強くなるだけで…。
もう片方の腕は背中にまわされた。
角度を変えながら口内を侵していく。

「ふぁ…」

「ごめん…。」
息をととのえながら深司くんを見た。
「顔…赤いよ。」
「深司くんも…赤い…。」
「返事、聞きたいんだけど…。」


そんなの…。



「そんなの…。」

「そんなの…?」

「そんなの…YESしか言えないじゃないのっ…//」

「そう…?」
「あたしも…好き…だから。深司くんのことが好き…!」
「深司でいいよ…。」

「深司…。」


二人は気持ちを確かめたあと、もう一度口づけをした。


今度は触れるだけの…。









あたしは恋をしています。

それは大変なことで

だって初恋で

それでも一生懸命で

深司のことが大好きだから

これからも頑張ります。